休暇一週間でサンティアゴ巡礼にいく

(ストックフォト)100キロの心洗われる道のり。
(ストックフォト)100キロの心洗われる道のり。

サンティアゴ巡礼路がやってみたい、でも長い休みの取りにくい日本人

日本人で日本で仕事をしている人にとって、仕事を続けながら数週間の休暇をとる事自体がなかなか困難。スペイン語でカミーノ・デ・サンティアゴ、つまりサンティアゴ巡礼路で最も人気のある「フランス人の道」の800キロを歩こうと考えると、だいたい40日程はかかる。もっと距離を伸ばそうと思えばフランスのル・ピュイから始めて合計1600キロを歩くこともできる。一週間ならなんとか、でも一ヶ月半の間も職場を留守にするのははっきりいって不可能に近い。だから800キロのサンチャゴ巡礼をやる人たちの中でも、仕事を辞めた機会に巡礼をしているという人たちが圧倒的に多い。これは日本人に限ったことではなくて、2〜3週間の休みなら取れるというヨーロッパの人であっても仕事を30〜40日休むことはかなり難しいからだ。

一週間で「最後の100キロ」を歩く

一週間の休みならなんとかなるという方にとっての朗報は、サンティアゴ・デ・コンポステーラまでのいわゆる「最後の100キロ」を一週間の休みで歩くことが可能なことだ。正確に言うと距離は100キロではなくて114キロで、更に正確に言うと休暇期間は7日ではなくて9日あると良い。仕事の稼動日5日間と週末二回で4日間を合わせて「サンティアゴ巡礼九日間の旅」ということになる。サンティアゴ巡礼というと800キロをあるかないといけないかと思う人もいるが、そんなことはない。スペインのガリシア地方の景色を楽しみながらサンティアゴ巡礼を経験するに114キロの距離でも十分楽しめる。美しい風景に心洗われると感じるだろう。

そう、実は114キロ

巡礼は形式にとらわれず、誰が決めたのでもない100キロ以下を歩いても良いことになっている。でもせっかく歩くんだから、巡礼路を歩き終えた暁にはサンティアゴ・デ・コンポステーラの大聖堂近くにある巡礼事務局で巡礼路完了書をもらいたいところ。なんといっても無料で発行してもらえる。この完了書を発行してもらうには100キロ以上を歩く必要がある決まりなのだ。その場合は100キロ以上でちょうど歩き始めることができ、巡礼路をめぐる証明書をもらうことができる最後の街であるサリア(Sarria)を出発地点することになる。ちなみにこの証明書はスタンプラリーと同じ要領で、各地で判子を押すことの出来る台紙である。そしてこのサリアという街はサンティアゴまでだいたい114キロの距離がある。

一週間の休暇でサンチャゴ巡礼路、カミーノ・デ・サンティアゴを歩く。
一週間の休暇でサンチャゴ巡礼路、カミーノ・デ・サンティアゴを歩く。

114キロを何日で歩くか

114キロの道のりを歩ききるには、だいたい何日必要なのだろうか。結論から言うと、目安は5日〜6日になる。この答えは114キロという距離を1日20キロ歩くことにして、割り算したものだ。サンティアゴ巡礼路を歩く多くの人が目安にする距離で、一番楽しく歩ける距離数といっていいだろう。普段それ程歩かない生活をしていると、歩く距離が1日20キロを越したところでとたんに疲れが出てくるのを感じるはず。自分が何日で114キロを歩けるのか更に見極めたい場合は、「巡礼計画:一日何キロ歩けるのかを見極める」を参考にして下さいませ。

朝一番でサンティアゴ巡礼事務局に到着するには

114キロを単純計算すると6日になる訳だけれど、最初の5日間で大体歩き終え、6日目の朝9時までにサンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼事務局に到着することをオススメしたい。そうすればほとんど並ばずに完了書がもらえるからだ。季節にもよるけれど、サンティアゴ巡礼の人気のおかげで朝一番の時間以外は一日を通して1時間、2時間待ちは当たり前になっている。完了修了書をもらったら、その後に12時から始まる巡礼者のための礼拝に1時間程参加して、とうとう巡礼路は幕を閉じる。午後も時間があればサンティアゴ観光は半日でも十分楽しめるのは嬉しい。ヨーロッパの町並みに少々浸るか、お土産確保に奔走するか、ホタテを始めとした名物の貝料理を楽しむのも良いだろう。もし体力に多少自信がある場合、一日30キロのペースで114キロの大方を4日間で歩き終え、5日目の朝を最終日とする事も十分可能だ。体力にそれ程自信が無くても、荷物と装備をしっかり準備すれば、1日25キロを快適に歩けることが可能な事を付け足しておこう。そして最終地点の旧市街にあるサンティアゴ大聖堂までの4.5キロを残すところにちゃんと大型の公営宿泊施設があるので、最終日に備えてゆっくり休める。これは市外地にある巡礼者用のホステル(アルベルゲという)で、多くの巡礼者はここで一泊してから翌日サンティアゴ・デ・コンポステーラに入る。もちろん市街地まで行って既にゴールし宿泊することも可能だが、サンティアゴ・デ・コンポステーラの街の中で泊まろうと思うと値段は少々上がってくる。(相部屋だと2015年参考価格は公営宿泊施設6ユーロに対して私営宿泊施設12〜18ユーロ。)

日本〜サリア、サンティアゴ〜日本の往復所要時間

サリアから114キロを歩き、サンティアゴで巡礼者礼拝に参加し終わるところまでをカミーノ(巡礼)の完了とすると、カミーノに5日半かかる計算になる。つまり6日だ。日本とヨーロッパ(出発地点のサリア入、到着地点のサンティアゴ出)の往復は残りの3日間を最低でも確保したい。1日30キロ徒歩計画の皆さんは日本を出てサリアに入るまで、飛行機・列車・バスのどれかに乗り継ぎをして辿り着くので結構時間がかかる。それぞれに1日半から2日かかると思っておこう。まずスペインと日本の間には直行便がない(2015年時点)。この往復に関してはいくつかのルートがあり、航空会社のその時期の就航状況あった選択をすることになる。こればっかりは一筋縄ではいかないので、いくつかの方法について別の記事に丁寧に説明したい。とりあえずのところは、上記のように往復に3日から4日かかると考えておこう。

みなさんのサンティアゴ巡礼がよいものになりますように。

ブエンカミーノ!(良い巡礼を!) 筆者 – あやここ 🙂

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